初めての付き添い入院では、親は何をするのかイメージしにくいですよね。
私も最初は、子どものそばに居て一緒に過ごすだけだと思っていました。
しかし想像以上に、親に任される仕事は多いです。
そして本当に本当に過酷です…
この記事では付き添い入院を7回経験した私が、過酷な付き添い入院の現実についてお伝えします。
付き添い入院で親がすること
付き添い入院で親は以下のことをしなければなりません。
- 子どもの検温
- 食事を食べさせる
- 食事量の記入
- 排泄回数の記入
- おむつ交換
- 尿量の測定
- 着替え
- 薬を飲ませる
- 点滴を抜かないように管理
- 心電図などのコード類が絡まないよう管理
そう、子どもの身の回りのこと全てです。
特に子どもは点滴が気になって触ってしまいます。
抜けないようにずっと見張っておくのに、かなり神経をつかいます。
抜けるともう一回点滴を取り直すことになるので、子どもにもスタッフにも申し訳ない気持ちになります。
看護師は定期的に様子を見にきますが、身の回りのお世話はすべて親の仕事。
「しっかり自分が見ておかないと」というプレッシャーが強かったです。
付き添い入院の食事が一番困る
付き添い入院中、一番困るのが食事でした。
子どもが起きている時は付きっきりなので、ベッドから離れることができません。
ベッド柵を上まであげれば離れていいと言われましたが、子どもが大泣きするので離れられず…
親の食事は子どもが寝ているタイミングか、看護師さんに短時間だけ見てもらい買いに行きます。
次にいつ買い物に行けるかわからないので、2日分ぐらいはまとめて買いだめします。
でも院内のコンビニは割高で栄養バランスが偏るし、何より飽きてしまうのがネック。
できるだけ好きな食事を持ち込むことをおすすめします。
付き添い入院のシャワーは運次第
付き添い入院中シャワーを浴びれるかは、正直に言って運次第です。
子どもの機嫌が悪かったり、処置や検査などでタイミングがずれると、シャワーを諦めるときもあります。
シャワーは短時間で出ないといけないので、スピード勝負。
予約した時間に子どもがグズグズし始めると、もうバタバタです…
付き添い入院のシャワーについて、以下の記事で詳しく書いています。
持ち物なども紹介しているので、参考にしてくださいね。
付き添い中は狭いベッドで子どもと眠る
付き添い入院では、基本的に子どものベッドで添い寝します。
子ども用のベッドなので、親が横向きになってやっと子どもと並べるほどの幅。
そんな狭いベッドで点滴をした子どもと眠るので、ゆっくり眠れるはずはありません。
病院によっては、付添者用の簡易ベッドをレンタルできる場合もあります。
しかしあくまでも簡易ベッドなので、狭くて硬いベッド。
寝返りができるほどの幅もないので、親がゆっくり寝られるものではありません。
子ども用のベッドは、転倒防止のため高い位置まで柵があげられる仕様です。
親が登り降りするときは、柵をそーっと上げ下げする必要があります。
子どもが寝たすきに用事をしようと思っても、柵を下ろす音で起きることもあります。
さらに昼寝中や夜間でも、看護師が処置や確認のために入ってくることも。
仕方ないこととはいえ、寝不足が続くとさすがに少しイライラしてしまう瞬間です。
5週間付き添い入院をした私の体験談
私は2021年に子どもが1歳半のとき、5週間の付き添い入院をしました。
コロナ禍でしたが、1日1回だけ付き添い者の交代が認められていました。
ただし基本的に付き添いは両親のみで、祖父母と交代するときは事前に届出が必要でした。
付き添いはほぼ私が担当していました。
子どもがママじゃないとダメ!というのもあり…
夕方に夫が仕事終わりしだい交代し、私は家で簡単な夜ご飯を作って食べ、病院に戻っていました。
病院が近かったため夜ご飯だけは家で食べられましたが、朝昼はずっと総菜パンやおにぎり、お弁当類を食べる生活。
自分のご飯はゆっくり選ぶ時間もないので、ほとんど同じものをローテーションして食べていました。
野菜なんていつ食べたかな?という食生活でした。
一番しんどかったのは、夜にゆっくり眠れないことです。
狭いベッドで点滴がつながった子どもと一緒に眠るので、点滴が絡まないか気になってほとんど眠れません。
夜中も看護師が来るたびに目が覚めるので、いつ寝たのか、今何時なのかもわからない感覚でした。
ずっと頭がぼーっとしてる感じ。
また子どもは元気になってくると、ベッドで過ごすだけでは物足りないように。
コロナ禍のためプレイルームは使用できる時間が決まっており、自由に使えませんでした。
おもちゃや絵本は持っていたけれど、すぐに飽きてしまい、ぐずる子どもをなだめるのが大変でした。
子どもはストレスが溜まって、ベッド柵に頭を打ち付けるようになりました。
その姿を見るのも辛いし、自由に遊ばせることもできないし…と苦しかったです。
付き添い入院がここまで過酷とは思わず、何度も途中で投げ出したくなりました。
しかし一番辛いのは子ども、いつかはこの生活も終わると言い聞かせ、なんとか5週間乗り切りました。
あの生活は思い出すのも辛いほど、本当に本当にしんどかったです。
付き添い入院について看護師ママとして思うこと
我が子の付き添い入院をして、親の仕事があまりにも多いことにびっくりしました。
尿量チェックや内服介助まで親がするの?とびっくり!
私は看護師をしているので、看護師の忙しさはよくわかっているつもりです。
でもこんなにも親任せで「小児科の看護師さんは何してるの?」と思ったのが正直な気持ちです。(すみません…)
ただ何回も付き添い入院を経験していると、看護師だけで子どもの看護をスムーズに行うのは無理だろうと思うようになりました。
看護師が子どもに接する際の問題点
- 看護師が来るとパニックになる子どもがいる
- 業務をしながらだと昼寝などのタイミングが読めず、薬を飲ませられない
- 他の業務との兼ね合いがあるので、対応にゆっくり時間をかけられない
看護師は決して仕事を親任せにしているわけではなく、現状の看護体制では親に頼らざるを得ない状況なのだと痛感しました。
付き添い入院って、病院から半ば強制的にお願いされることがほとんどなんです。
当たり前のように「誰が付き添いますか?」と聞かれます。
でも実際は「親の希望で付き添いをしたいので、許可をください」という申請書を提出するんです。
私はこのシステムにすごく違和感があります。
付き添わないと入院が成り立たないのに、親からのお願いという形式はおかしいですよね?
子どもが心配なのでもちろん付き添うのですが、なんだか腑に落ちないのが正直な気持ちです。
厚生労働省は「入院時における付添いの受入れ等にかかる留意事項について」文書を出しています。
保険医療機関における看護については、「看護は、当該保険医療機関の看護要員のみに
よって行われるものであり、当該保険医療機関において患者の負担による付添看護が行わ
れてはならない。ただし、患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又
は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が
付き添うことは差し支えない。なお、患者の負担によらない家族等による付添いであって
も、それらが当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は当該保険医療機関の
看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならない。」(「基本診療料等の施設基
準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和4年3月4日付け保医発 0304
第2号厚生労働省保険局医療課長通知))とされているところです。
付き添う親が看護を代替することがあってはならない旨の記載がありますが、現実は違いますね。
付き添い入院は、子どもを思う親の我慢のうえで成り立っていることを忘れてはいけません。
人手不足なことはわかりますが、こんな過酷な付き添い入院が当たり前ではいけないと思います。
看護体制の見直しや、親がリフレッシュする時間を設けるなどの取り組みを進めてほしいと願います。
【まとめ】過酷な付き添い入院は工夫で乗り切ろう
過酷な付き添い入院の現実についてお伝えしました。
- 子どもの身の回り全てのお世話をする
- 食事は偏りがち。事前に持ち込んでおくべき
- シャワーを浴びれるかは運次第
- ベッドは狭くて眠れない
- 付き添い入院は親の我慢のうえで成り立っている
別の記事では、付き添い入院を快適にする工夫も紹介しています。
この記事が付き添い入院を頑張るパパ・ママの参考になれば嬉しいです。
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